2011年1月28日金曜日

土を掘って水を流せ

 ソニー創業者、井深大氏の言葉で、最初に開発したテープレコーダーの販売時の時のセリフです。
 「いいものを作れば必ず売れる」というが、創業者井深氏、盛田氏のポリシーであったのですが、アメリカで注目の商品を独自に開発したテープレコーダーが全然売れなかったそうです。値段が高いのもそうですが、「商品はいいですね」という販売者側の感想はいただくも、実際の注文はなかったそうです。
 その時に、営業の大事さを理解したそうで、市場は自ら作れという理念で、従業員にかけた言葉が「土を掘って水を流せ」だったそうです。
 その後、裁判所の記録手段として売れ始め、学校でも注文があったそうです。なるほど、必要としているところは必ずありますよね。あきらめない執念のなせる技でしょうか。この商品の利便性からどこが必要とするかを考えることが大事です。勉強になります。
 その後、アメリカに単身で乗り込み、アメリカ相手に一歩も妥協しなかったというのは有名な話です。そのときの従業員募集のキャッチフレーズが、「英語を話せて、アメリカ人とケンカできる人募集」というという内容だったと思います。おもしろいですね。

 ソニーや松下、戦後という、日本が敗戦から立ち直ろうとしているところでの、民間企業が社会に対して何ができるかが、はっきりとしていて、また、日本国民が元気になるという、はっきりとした、また高い志で、起業する姿勢は、素晴らしです。
 今の世の中において、社会に何ができるのか。複雑な社会構造、完全に裕福になった日本人に対しての貢献は、今は精神的なものに集中しているようですが、まだまだ、井深氏、盛田氏、そして松下幸之助氏のような、高い志を持た経営者は必要です。技術論ではなく、その奥の深いところの理念が重要であることをもう一度考えたいです。