2007年8月30日木曜日

病院側が搬入を拒否、それにより流産

 夜中、妊婦に異常が発生し、救急車を呼び、搬送先を探したところ、10件もの病院に受け入れを断られ、やっと見つけた病院へ搬送中に事故に遭い、3時間以上もかけてたどり着いた病院でとうとう流産したというニュースがありました。

 病院側の事情も言い分も想像はつきます。現医療体制、国が医療機関に対する行動を見れば、医療施設側の悲鳴もよくわかります。それでも、今目の前に苦しんでいる人の搬入を断るという決断は、下す側も下される側も悲劇です。ただ、これから生まれようとしている命を見殺しにしたという事実は残ります。

 「民間にできることは民間の手で」「小さな政府」が今の日本の流れです。というか、アメリカからの指導の下の日本(小泉前政権)が選んだ道です。規制緩和は、自由経済は、競争原理に裏付けされた効率化の名のもとの「切り捨て」につながり、公的援助の縮小につながります。

 規制緩和そのものを否定するつもりはありませんが、政府がしなければならない最低限の事、医療や福祉などは、やり過ぎと言うことは無いと思います。その為の財源確保の問題として、いきなり税額引き上げではなく、政府のスリム化による「小さな政府」なら理解できます。

 流産したお母さんの気持ちはどのようなものでしょうか。病院を、国を恨むでしょう。日本という国は国民に恨まれるものになったのでしょうか。けっして“美しい”国ではないですね。