2012年6月12日火曜日

幸と福の違いは

同じ「さいわい」という意味で用いられる言葉でも、その意味は違うようです。「さいわい」の本質が異なるようです。そのことばは「幸福」の「幸」と「福」です。

 「幸」の文字を使う「さいわい」は、その幸いとなる原因が、自分の中にはなく、偶然的な、他より与えられた幸いを意味します。たまたまいい家庭に生まれたとか、思いがけなくうまいめぐり合わせにあたったとかだそうです。

 「福」の文字を使う「さいわい」は、その幸いとなる原因が、自分の中にある、すなわち、自分の苦心、自分の努力によって勝ち得たものです。それは、「福」という漢字に表れています。

 示偏(しめすへん)は神様のことで、「示」というのは上から光がさしている、神の光、叡智の光を表します。旁(つくり)の方は、「収穫を積み重ねた」という文字です。農家では俵を積み上げるという文字です。この二つの言葉を合わせると、「福」とは、神様の前で積み上げられたものを表します。

 言葉は、その意味を知ると面白いものですね。

 「幸」は、俗っぽい言い方をすれば「ラッキー!!」ということでしょうかね。目指すは「福」の方ですね。「ラッキー」も実力のうちですから、ラッキーをうまく利用して、神様の前に俵を積み上げることが大事ですね。