2008年12月30日火曜日

損害保険会社に大合併の嵐

 損害保険5位の日本興亜損害保険に対し、筆頭株主の米投資ファンドが3位の損保ジャパンとの経営統合交渉に入るよう求めているそうです。このファンドはサウスイースタン・アセット・マネジメントで日本興亜株の20%超(議決権ベース)を持っています。同ファンドは8月に、損保ジャパン株6.77%を取得して大株主になっています。日本興亜に対し、損保ジャパンを候補に統合を要求し始めたのはこのころのようです。売上高にあたる正味収入保険料を2社で合算すると2兆円を超え、現在首位の東京海上ホールディングスに肉薄します。ただ、損保ジャパンは第一生命保険と包括業務提携しており、日本興亜との統合には慎重とされ、日本興亜も統合へ動き出すかどうか不透明のようです。
 2位の三井住友海上グループHDと4位のあいおい、6位のニッセイ同和の両損害保険の3社が、持ち株会社方式を念頭に、今年度内の基本合意を目指していて、実現すれば、売上高に当たる正味収入保険料(連結)は計約2兆7,000円に達し、首位の東京海上HDの約2兆2,000億円を上回り、国内最大の損保グループが誕生することになります。
 損害保険は、自動車保険からもおわかりの通り、保険金支払いのケースが生命保険会社よりも多く、そのための準備を常にしておかないといけません。体力勝負です。また、商品開発力も問われ、時代にあったリスク対応を求められますが、同時に、保険金支払いの可能性とのかねあいを考慮しなければ首を絞めることにもなりかねません。販売ルートも独特で、伝統的に代理店販売ですから、手数料の肥大の問題もあります。どの業界も大変ですね。