2012年7月7日土曜日

許すということについて

許すということはどういうことでしょうか。昔聞いたことを今でも覚えています。

 「許すということは、ここまで許してここからは許さないということはない。許すとはすべてをひっくるめて許して、はじめて許すということになる」

 なぜだか、ずっとこのフレーズは覚えています。どこで、何に書いてあったのかは記憶にはないのですが、ことばの内容が、当時の私にはあまりにも重く、衝撃的でした。それで、いまだに記憶に残っているのでしょう。

 許してもらうことが多ければ多いほど、人を許すことができるような気がします。傷を多く抱えている人ほど、人には優しくなれるのでしょう。

 傷つくことを恐れている人は、決して人にやさしくなんかできるはずがありません。痛みがわからないひとに、人の痛みはわかりません。

 すべてを許すという感情は、そう簡単にできるものではありませんが、恨みを持って生きていくことはつらいことです。スピリチュアルの人に言わせれば、魂にとても恨みはよくありません。

 許してしまえば楽になることもあるでしょう。許せない感情の奥には何があるのでしょうか。自尊心でしょうか。それこそ恨みでしょうか。

 人は悲しい生き物と言われますが、この辺りに、その所以があるのでしょうか。

 なぜかいつまでも覚えている台詞ってないですか。それは覚えておかなければならない理由があるのでしょう。
 
 山本周五郎の「畜生谷」という本を読もうかな・・・