2009年1月19日月曜日

心肺同時移植が成功したそうです

 大阪大学病院で、心肺同時移植が無事成功しました。心肺同時移植の待機登録をしたのは2003年8月で、それから待ち続けて5年5か月、ようやく条件の合う臓器提供者が現れたそうです。
 心肺同時移植は、胸の中をそっくり入れ替えるのに近い大手術で、切ってつないだ個所は今回の場合、上下の大静脈、大動脈、気管の4か所だけで、新しい心肺を植えるのは技術的に難しくないそうですが、移植患者の胸部には細かい血管が伸びており、弱った臓器をはがして摘出する作業が大がかりになるそうです。また肺は移植後の感染症対策が難しいそうです。
 海外での成績も、5年生存率が約40%とあまり高くない(心臓移植は約70%)そうです。国内では、1997年10月に臓器移植法が施行された後も、心臓、肺の移植の実績が整うまで実施を見合わせていたそうで、待機患者の登録開始後、今回の第1例まで6年近くかかったのも慎重に慎重を期したそうです。
 同時移植を望む患者は心臓、肺それぞれに待機登録する必要があり、臓器提供者が現れた時、どちらかの順位が1位なら優先され、その面では機会があるといえますが、提供者の心臓、両肺のすべてが良い状態で、状態を保つには搬送を2時間以内に抑える必要があり、提供施設が地理的に近くないと無理という制約も大きく、これまでに何度も断念したというそうです。かなり条件が厳しいようです。
 心臓と左右の肺を一つずつ使えば、3人に移植できるものを一人に移植すると言うことで、失敗が許されないかなりのプレッシャーが手術する側にもあったと思います。